養育費の未払いから救済する法整備

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離婚に至った経緯にもよりますが、日本では離婚して養育費の取り決めをした人たちのおよそ7割が養育費を受け取れず(支払われず)、悩みを抱えていると言われています。

新型コロナウイルス禍の影響もあり、経済低迷のあおりを受けて、雇用先から急にリストラをされたり、自宅待機による減給など、シングルマザー&シングルファザーに重くのしかかる経済事情。せめて子どもだけでも人並みの生活をと思えばこそ、これまで以上に養育費は重要なファクターとなりつつあります。

 


未払い養育費 相談

養育費を受け取れない人が増えている?

「最初の2~3ヶ月しか養育費が払われなかった」
「相手が再婚したと同時に養育費が払われなくなった」
「取り決めた金額からは遥かに安い金額が振り込まれる」
「離婚したあと、相手の所在が判らなくなった」
「相手が電話やメールに全く応じなくなった」
「相手は高収入なのに養育費を払ってくれない」
「養育費を取り決めた公正証書を作るのを拒まれる」
「行政に相談しても、相手の所在がわからなければ手を打てないと断られた」など

それぞれさまざまな要因があるにしても、多くの人が上記のような養育費の支払い滞りに悩みを抱えています。

親子で生きていくための生活費確保のために奔走する日々、『養育費』という名の子どもの生活の安定が約束されているだけでも心の支えになるものです。

養育費は親から子への責任です。
一緒に寝食を共にできなくても血を分けた我が子であることには変わりありません。

 

養育費未払いの救世主?民事施行法の改正

民事施行法という法律に改正が行われ、「第三者からの情報取得手続」という新しい制度が新設されました。

これは「財産開示手続」を行うことで、裁判所を通して、市町村や年金事務所に照会を行うことができるようになり、所在不明だった相手の勤務先が分かるようになったり、銀行の本店に照会をすることも可能で、相手の銀行口座がどの支店にあるのかなどの情報を得ることが可能になります。

「財産開示手続」は、相手の財産の有無や金額などを問い合わせたい時や、強制執行をしても全額を払って貰うことができないような場合に、裁判所へ申請することが可能なのだそう。また、これまでは情報開示がNGとされてきた内容についても、開示手続の申し立てが可能になり、相手の状況を把握することが可能になったようです。

相手の勤務先が判れば給与を差し押さえて養育費の請求を行うことができるため、未払いの養育費を法的に回収することが可能になるのです。

養育費を受け取れる法整備へ

尚、銀行が情報を提供したことは、相手にも通知されるようになっていますので、相手が預金を全て引き下ろしたり移したりできてしまうのでは?との懸念もありますが、相手に連絡が行くより前に裁判所へ結果が報告されるので、すぐに手を打てば相手が行動に移す前に抑えることも可能です。

養育費を受け取れるよう法整備が進む中、素人が浅知恵で動いても良いことにはならないこともしばしば。可能なら養育費問題に対応している弁護士に相談・依頼をするなどして相手からの回収を確実に、尚且つ離婚時に合意した期日まで安定した養育費の提供を、改めて約束してほしいものです。

 

尚、東京地方裁判所に「第三者からの情報取得手続」についての詳しい内容が掲載されていますのでご参考になさってください!→ 『東京地方裁判所「第三者からの情報取得手続』(※リンク先へ飛びます)

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