
離婚時にとりきめた『養育費』。
しかし、昨今養育費の支払いが滞ったり、一切の入金がなくなるなど、養育費の支払いにおいては、社会問題として大きくとりあげられることも少なくありません。
では養育費を支払わないままでいることで、何か罰則は発生するのでしょうか?

未払いは犯罪?
養育費の支払いは子どもに対する義務であり、父母の協議によって取り決めが行われるケースが多いが、どうしても当事者同士の話し合いで決まらない時は家庭裁判所が代理人となって決めることになっています。
養育費の不払い=犯罪になるというわけではありません。
しかし、民事上の債務になるため、支払わずに放っておけば普通の借金と同じように遅延損害金が発生することを知っていますか?
そのため、「払いたくない」という身勝手な自己理由で支払いを止めていた場合、気付いた頃には思わぬ金額になってしまい、首が回らなくなる可能性も否定できませんので注意が必要です。
未払いで子どもに逢えなくなる?
「養育費を払わないなら子ども達に会わせない」という風に、面会を交換条件にすることはできません。
民法第766条1項及び2項の法的根拠を有する権利。
子供と同居していない親が子に会う権利、そして子が親に会う権利。
法律で護られている権利ですね。
ただ、定期的な面会を拒絶されると、何のために養育費を払っているのか判らなくなり、いつしか養育費の支払いそのものがストップする傾向にあることは事実です。
しかしながら、離婚の原因(パートナーの不貞など)によっては、子どもに会いたいという気持ちさえなくなることだってあります。
また、離婚に至った原因が相手側に沢山あったり、子どもが自分に懐いていないなど、子どもを愛せない理由や、慰謝料を送りたくない理由があっても、取り決めた養育費は払わなければなりません。
養育費の支払いが免除されるケース
①無職・病気での失業、無収入で、支払い能力が明らかにない場合
②自分の収入より相手の収入の方が高い場合
③養育費の取り決めで支払いが免除されている場合
④相手が、再婚して子どもが養子縁組にはいったとき
⑤子どもが成人になった場合
(※2022年から成人年齢が20歳→18歳へと引き下げがありましたが、取り決めが20歳なら20歳まで養育費を支払う必要があります
⑥未成年であっても、子どもが就職し、給与を得るようになった場合、自立とみなし、養育費は必要なくなる
子どもが成人するまでの期間は、短くありません。
そのため、①のように「払いたくても払えない」ケースも考えられます。
どうしても養育費を払いたくない理由があるときも、身勝手に対処するのではなく、法に則って対応したいところです。
まずは信頼できる弁護士に相談してアドバイスを受けてみることをお勧めします。